早番の忙しさは予想以上
ひよりの介護スタッフは13人、そのうち11人が女性です。子育てをしながら仕事をしている彼女たちにとって、家庭での負担の一つが洗濯。特に早番(7時勤)を担当する日は、家族の朝食の準備、片付け、そして洗濯を干してから出勤するのは至難の業です。
家族と家事を分担する意識が広まっているとはいえ、まだまだ女性に多くの負担がかかっているのが現実。家庭での洗濯物問題はその典型例です。
防犯カメラに映った意外な光景
ある日、僕が施設の防犯カメラの映像をチェックしていた時のことです。イノシシが侵入していないか確認していたところ、玄関前に一台の軽ワゴン車が停まりました。運転席から降りたスタッフが、反対側のドアを開けてカゴを抱えて施設に入っていく様子が映し出されていました。
何度か映像を見返したのち、そのスタッフにどういう事情なのかを確認しました。するとそのスタッフは、「ホーム長、朝はとても忙しいんです。お弁当を作って、朝ごはんを準備して、食器を片付けて、お風呂を洗って、洗濯物を干す時間がどうしても足りないんです」と、少し申し訳なさそうに言い訳をしました。
女性スタッフたちの本音
その後、他の介護スタッフにも洗濯について意見を聞いてみました。すると、「もし洗濯ができるなら私も使いたい」という声が3人から挙がりました。さらに、洗濯をしていない他のスタッフからも「子育て中のスタッフにとって洗濯ができる環境はとても助かる」との意見が出ました。
新たなルールで負担軽減
こうした声を受け、施設の洗濯機が空いている午前10時までに限り、スタッフが個人の洗濯をできるようにしました。ただし、洗濯用洗剤は各自が用意し、仕事が終わるまでには自分の洗濯物を取り込んで、利用者と一緒に畳むことを条件としました。
このルールにより、女性スタッフたちの負担は軽減され、働きやすさが向上。さらに、家族的な雰囲気の施設づくりに一歩近づく結果となりました。これにより、スタッフの定着率が向上し、より良いケアを提供できる職場へと発展する可能性が見えてきました。
結び
この取り組みは、職場のルールを少し柔軟にすることでスタッフの働きやすさが大きく改善できる一例です。介護の現場では、スタッフの心身の健康が利用者のケアにも大きく影響します。これからも、スタッフが無理なく働ける環境づくりを進めていきたいと考えています。
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